イールドカーブについて
債券の価値は、将来の様々なタイミングでキャッシュフローが発生する事です。
そして債券は、保有期間に利子が発生していきます。
償還日に元本が戻っていきます。
さらに株式は、保有期間に配当金が発生する場合があります(確定ではないです)。
売却時に差益が発生して利益や損益になります。
つまり、債券は将来のキャッシュフローが分かりやすいです。
ちなみにキャッシュフローは、事業によるお金の流れです。
目次
イールドカーブについて
イールドカーブは、利回り曲線です(金利の期間構造です)。
債券は、残存期間によって将来に得られる利益が異なります。
つまり、残存期間が債券価格に大きな影響を及ぼします。
既発債の残存期間がX軸(横軸です)、複利による利回りがY軸(縦軸です)とします。
異なる残存価格の債券の利回りを線で結ぶと、カーブとして描く事ができます。
残存年数に応じた利回りグラフが完成できます。
イールドカーブの傾きを見る事で現在の金利環境を把握する事ができます。
中央銀行が操作できる短期金利に対して、
中期金利や長期金利は中央銀行で操作がしにくいです。
市場参加者の見通しが反映してしまうので、
イールドカーブを通じて状況把握する事が重要です。
イールドカーブの種類について
①順イールド
右肩上がりのイールドカーブを描きやすいです。
残存期間が長い債券の利回りは、残存期間が短い債券よりも高くなりやすいです。
基本的に長期金利は、短期金利よりも高いです。
②逆イールド
左肩下がりのイールドカーブを描きやすいです。
残存期間が長い債券の利回りは、残存期間が短い債券よりも低くなりやすいです。
基本的に中央銀行による短期金利引き上げによって、短期金利が上がります。
そして、景気後退による資金調達需要の低下で長期金利が下落すると、
短期債の利回りが長期債の利回りよりも高くなりやすいです。
③フラット
短期金利の引き上げに対して、長期金利が反応しない状態です。
イールドカーブが水平状態になっている事です。
イールドカーブと金利について
●イールドカーブが上に傾く場合は、債券市場全体の金利上昇が予想できます。
●イールドカーブが下に傾く場合は、債券市場全体の金利低下が予想できます。
①短期傾向
●イールドカーブが上に傾く場合は、残存期間の短い債券の利回りが金利上昇して、
長い債券の利回りが低下します。
つまり、短期債から長期債に資金が流れている事です。
●イールドカーブが下に傾く場合は、残存期間の長い債券の利回りが金利上昇して、
短い債券の利回りが低下します。
つまり、長期債から短期債に資金が流れている事です。
②長期傾向
●短期金利が変わらずにイールドカーブが上に傾く場合は、
中期債や長期債に対する需要の低下が予想できます。
つまり、金利が上昇して債券利回りが上昇している事です。
●短期金利が変わらずにイールドカーブが下に傾く場合は、
中期債や長期債に対する需要の増加が予想できます。
つまり、金利が低下して債券利回りが低下している事です。