損益計算書について
業種や業態によって、利益を確保する幅が違います。
製造業は、売上原価が小さいので粗利が大きいです。
しかし、自社で宣伝広告費や研究開発費が多いので販管費が高いです。
小売業は、仕入れによる大きな原価がかからないので粗利が小さいです。
しかし、自社で研究開発費や宣伝広告費が少ないので販管費が低いです。
そして会社は、営業利益で経営状況を大きく把握する事ができます。
さらに投資家は、当期純利益で判断する事が多いです(株価に大きく影響するからです)。
目次
損益計算書について
損益計算書は、会社の利益を数値化したモノです(収益性です)。
別名は、P/Lです。
基本公式は、収益-費用=利益です。
一般的に会計期間内で利益に関する書類です。
そして決算期は、1年間に設定している会社が多いです。
法人税法によって1年を超える事ができません(短くする事ができます)。
①売上高
商品・サービスを販売して得たお金です。
②売上総利益
別名は粗利、粗利益です。
売上原価を差し引きます。
総利益のほとんどを占めるので、大きいほど良いです。
売上高-売上原価=売上総利益です。
③営業利益
販売費及び一般管理費を差し引きます。
具体例は広告宣伝費、光熱費などです。
本業の稼ぎが分かります。
売上総利益-販管費=営業利益です。
④経常利益
定期的な財務活動による利益を差し引きます。
具体例は配当金、利息などです。
会社が安定して利益を残していく判断材料になります。
営業利益-(営業外収益-営業外費用)=経常利益です。
⑤税金前当期純利益
別名は、税金等調整前当期純利益です。
臨時で発生した利益を差し引きます。
具体例は土地売却、一時的な損益などです。
経常利益-(特別利益-特別損失)=税金等調整前当期純利益です。
⑥当期純利益
税金を差し引きます。
最終利益です。
税金前当期純利益-税金=当期純利益です。
売上原価について
売上原価は、モノやサービスを提供して直接かかった費用です。
つまり、売れた商品・サービスに発生した費用です。
売れ残った商品の原価は、売上原価に含まれません。
①材料費
製品の生産をする為に発生する費用です。
具体例は石油、米、小麦、とうもろこしなどです。
②光熱費
製品・サービスの生産をする為に発生する費用です。
具体例は電気、ガス、水道などです。
③人件費
人間の労働力に対する給与や各種手当です。
④減価償却費
長期資産を購入した際に購入価格を資産として計上する事です。
具体例は建物、設備などです。
使用し続ける事で、価値が下がっていく事を見越して、
購入代金を耐用年数で分割して1年ずつ計上する費用です。
販管費について
販管費は、製品の製造やサービスの提供に直接的に関わっていない費用です。
別名は、販売費及び一般管理費です。
①研究開発費
商品開発費用です。
②広告宣伝費
広告宣伝費用です(CM、ネット広告などです)。
③通信費
郵送費、ネット接続費、電話代などです。
④リース料
機材費、サーバー費などです。
⑤人件費
給与、賞与、退職金などです。
⑥地代家賃
建物の賃料、土地の賃料などです。
⑦消耗品費
事務用品、備品などです。
⑧減価償却費
固定資産の価値が減少する分を費用とみなして計上する金額です。
パソコン、スマートフォンなどです。
営業外収益について
①受取配当金
所有する株式(自社株以外です)から得られる金額です。
②受取利息
貸付金や預金などに付随する利息です。
③引当金の戻入れ
出資を免れた引当金を戻し入れる事で発生する金額です。
④為替差益
資産売買を為替レートの変動によって生じる利益です。
⑤雑収入
他の勘定科目に該当しない営業外の利益です。
営業外費用について
①支払利息
金融機関や取引先から借り入れた金額に対して支払う利息です。
②引当金
将来発生する可能性がある出資をあらかじめ引当金として計上する費用です。
③為替差損
資産売買を円換算時に為替レートの変動によって生じる損失です。
④雑損失
他の勘定科目に該当しない営業外の費用です。
特別利益について
①固定資産売却益
固定資産を売る事で得られる利益です。
②投資有価証券売却益
投資目的で所有している株式や国債を売る事で得られる利益です。
特別損失について
①固定資産除却損
固定資産を廃棄する事で発生した損失です。
②投資有価証券売却益
投資目的で所有している株式や国債を売る事で発生した損失です。
③事業整理損失
事業の整理や構築によって発生した損失です。
④損害賠償損失
損害賠償金の支払いによって発生した損失です。
⑤災害損失
自然災害を含めた災害によって発生した損失です。
具体例は火災、台風、地震などです。