人間の可聴域について
人間に聞こえる音は、一定の範囲があります。
基本的に20Hz(ヘルツです)程度〜2000Hz程度までの音が聞こえます。
つまり、可聴域です(可聴帯域です)。
一般的に年齢と伴って、可聴域が狭くなっていきます。
つまり、歳をとるごとに高い音が聞こえにくくなります。
実際にリハビリやトレーニングを利用しても可聴域を広げる事が現状で困難です。
目次
人間の可聴域について
可聴域は、音を聞き取れる範囲です。
音が耳の奥にある鼓膜を振動させる事によって、耳小骨で振動が増幅されます。
さらに奥にある蝸牛(直径1cm程度の器官です)に伝達します。
つまり、鼓膜から蝸牛で可聴域の範囲がほとんど決まります。
●鼓膜は、外耳道と中耳を分ける薄い半透明の膜です。
外耳道は、外側半分の軟骨部、内側半分の骨部に分かれた部分です。
中耳は、空気の入った小部屋です(中耳腔です)。
●蝸牛は、内耳にある聴覚を司る感覚器官です(蝸牛管が納まっています)。
主な要因は、加齢で蝸牛の中にある音のセンサーが鈍ってしまうからです。
増幅の為の耳小骨が小さくなったり、脳の認知機能が低下したりする事も含まれます。
そして蝸牛は、螺旋の部位に複雑な音が付いた形をしています。
音は、リンパ液で満たされた螺旋の部位に入ります。
さらに螺旋部位は、基底膜があります(振動を電気信号に変換するセンサーです)。
●リンパ液は、毛細血管から浸出したアルカリ性の液体です。
音の理解について
音の波は、リンパ液の振動になります。
電気信号になって脳の神経に伝達します。
そしてリンパ液の振動が基底膜に伝達すると、
音の周波数によって基底膜が強く振動する位置が異なります。
高い音の場合は、入り口付近のセンサー場所に振動します。
低い音の場合は、入り口付近から遠いセンサー場所に振動します。
つまり、脳はセンサーからの電気信号で周波数の音で検知しています。
さらに蝸牛は、入り口付近のセンサー場所程大きな音を受けやすいです。
長年音を検知していると、経年劣化して高い音が聞こえにくくなります。
●周波数は、波動や振動が単位時間当たりに繰り返される回数です。
周波数の音が聞こえやすい事は、個人差によって異なります。
一般的に等ラウドネス曲線があります(国際基準です)。
脳に入った音の電気信号は、脳幹、視床を経由します。
聴覚野を中心として、和音が頭頂野、言葉が言語野などの様々な担当領域で処理されます。
●等ラウドネス曲線は、等しい音の大きさと感じる周波数と
音圧のマップを等高線として結んだモノです。
●脳幹は、意識・呼吸・循環を調節する領域です。
●視床は、嗅覚以外の感覚情報を大脳皮質に伝達する領域です。
●聴覚野は、聴覚情報の処理を担う領域です。
●頭頂野は、体性感覚を認識する体性感覚野と
体性感覚や視覚情報を統合する頭頂連合部位です。
●言語野は、言葉の理解や表現を司る部位です。