財務指標について
企業の決算書を読み解く上で、セグメント情報に注目すると競合優位性が明らかになります。
そしてセグメント情報は、財務情報を事業単位で分けたモノです。
関連企業で行っている企業や複数の事業を展開している企業などが、
収益性を把握する事が可能です。
さらに、地域ごとにセグメントしている場合もあります。
財務指標の算出方法や優良企業の条件などは、最重要事項です。
目次
財務指標について
財務指標は、決算書に掲載している数字を利用した指標です。
別名は、財務分析です。
①売上高成長率
企業の成長度合いが判断できます。
②売上高営業利益率
企業の稼ぐ度合いが判断できます。
③売上原価率
企業の収益性度合いが判断できます。
④売上高販管費率
企業の採算性度合いが判断できます。
⑤流動比率
企業の短期支払い能力度合いが判断できます。
⑥有効固定資産回転率
企業の有効固定資産活用性度合いが判断できます。
⑦自己資本利益率
企業の自己資本利益度合いが判断できます。
⑧総資産利益率
企業の資産利益度合いが判断できます。
⑨自己資本比率
企業の安定性度合いが判断できます。
⑩棚卸資産回転日数
企業の在庫効率度合いが判断できます。
売上高成長率について
売上高成長率は、企業の当期の売上高が前期と比較して、どのくらい伸びたかを表示した指標です。
公式は、(当期の売上高-前期の売上高)/前期の売上高=売上高成長率です。
そして売上高を伸ばす事で、コストカットによって利益が上がります(倒産リスクが少ないです)。
しかし、コストカット(経費などです)は上限があります。
売上規模が小さい場合は、少しの増収で成長率が上がりやすいので、
過去の決算期の数値を確認して判断します(経常利益成長率も確認します)。
市場の成長率を下回っている場合は、実質的な成長ではないです。
売上高営業利益率について
売上高営業利益率は、本業で利益を稼ぐ力を表示した指標です。
売上高に占める営業利益の割合を示したモノです。
公式は、営業利益/売上高=売上高営業利益率です。
さらに営業利益率が高いほど、本業で利益を稼ぐ力が高いです。
特に売上原価や移管費を下げる事で、利益率を高める事ができます。
売上原価率について
売上原価率は、売上高に対して売上原価の占める割合の事です。
公式は、売上原価/売上高=売上原価率です。
売上原価が同じ場合でも、販管費を高くしてブランディング(イメージ戦略です)を重視する事で
販売価格を上げると、売上減価率が低下します。
ちなみに売上原価率が低いほど、利益が多くなります(原価が低いからです)。
特に売上原価率を高める方法は、原価を下げたり、
付加価値をつけて販売価格を高くするなどです。
売上高販管費率について
売上高販管費率は、経費が効率的に収益性に繋がっている事が判断できます。
売上高に対して販管費が、どれだけ占めているかが分かります。
公式は、販管費及び一般管理費/売上高=売上高販管費率です。
販管費は、商品販売や商品管理などに必要な費用です。
別名は、販管費及び一般管理費です。
そして売上高販管費率が低いほど、企業の採算性が高まります。
販管費を抑える事で、原価率を上げる事も可能です。
流動比率について
流動比率は、短期安全性を表示して判断できます。
1年以内に現金化できる流動資産が、1年以内に
返済すべき流動負債をどれだけ上回っているかを判別できます。
公式は、流動資産/流動負債=流動比率です。
さらに流動生が高いと、債務返済能力が向上します(倒産リスクが低いです)。
一般的に流動比率が120%(パーセントです)以上の場合は、短期的な資金繰りが安定的です。
しかし、流動比率が100%未満の場合は、短期的な資金繰りが不安定です。
業界や業種によって、流動比率がの安定性や不安定が異なります。
つまり、短期的な支払能力が乏しいです。
現預金や売掛金の回収などで、短期借入金や買掛金の支払いを返済できます。
有効固定資産回転率について
有効固定資産回転率は、企業が保有している有形固定資産が
どれだけ有効活用しているかを判断できます。
公式は、売上高/有形固定資産=有効固定資産回転率です。
ちなみに有効固定資産は、土地や建物などの資産です。
有効固定資産回転率の回転率が高いほど、固定資産を効率的に活用できます。
発注や出荷などの回数を、直接やり取りが必要な数だけに抑える事ができます。
物流センターの数を抑える事で、有効固定資産回転率を高める事が可能です。
自己資本利益率について
自己資本利益率は、自己資本に対してどれだけ収益を生み出しているかが判断できます。
別名は、ROEです。
公式は、当期純利益/自己資本(1株当たり当期純利益/1株当たり純資産です)
=自己資本利益率です。
そして自己資本比率を下げる事で簡単にROEを上げる事ができますが、安全性が低下します。
総合的なROAを確認して経営の効率性が重要です。
しかし、借金をしてでも自己資本にレバレッジ(てこの原理です)をすると、
大きな利益を生み出せるので数値が上がります。
自己資本利益率が10%程度〜20%程度が優良企業の目安です。
総資産利益率について
総資産利益率は、利益を生み出す為に資産がどれだけ効率的に使用しているかを表示する指標です。
別名は、ROAです。
公式は、当期純利益/総資産=総資産利益率です。
さらに総資産利益率は、売上高を上昇させてコストカットをする事が多いです。
利益率を上げると、総資産利益率を改善する事ができます。
資産回転率と売上高利益率を掛け合わせたモノなので、どちらかが上がるとROAも向上します。
業界や業種によって異なりますが、総資産利益率が5%程度〜10%程度が優良企業の目安です。
自己資本比率について
自己資本比率は、総資本に対して自己資本が占める割合の事です。
公式は、純資本/資産=自己資本比率です。
そして総資本は、自己資本(純資本です)と他人資本(負債です)の合計値です。
自己資本の割合が大きいほど、安全性が高いです。
純資本は、資本金と利益剰余金です。
上場企業の場合は、純資産-新株予約権や被支配株主持分です。
自己資本比率がマイナスになった場合は、
負債を資産で払いきれない状況になります(債務超過です)。
業界や業種によって異なりますが、自己資本比率が40%程度〜70%程度が優良企業の目安です。
棚卸資産回転日数について
棚卸資産回転日数は、在庫が何日かかって1回転するのかどうかを表示する指標です。
公式は、棚卸資産/(売上原価/365)=棚卸資産回転日数です。
ちなみに棚卸資産回転日数は、在庫金額(棚卸資産です)を
1日当たりの売上原価で割って算出します。
具体例は商品、原材料、仕掛品、半製品、貯蔵品などです。
棚卸資産回転日数の数値が低いほど、少ない日数で在庫が回転して効率が良いです。
在庫が多い場合は、長期的に販売する必要があります(不安定です)
在庫が少ない場合は、短期間で多くの商品を販売されています(安定です)。
在庫効率は、キャッシュ・フローに影響するので重要な財務分析になります。