化学のサプライチェーンについて

化学業界は、取り扱っている製品や原材料が広範囲です。

特に製造工程は、より複雑化しています。

産業内や産業間で取引の比重が大きいので、化学産業は大きな市場です。

そして医薬品は、一般向け化学品よりもかなり複雑です。

製造工程前に長い年月を経て研究開発、創薬、

臨床試験、承認許可申請、承認許可取得が必要です。

目次

化学のサプライチェーンについて

サプライチェーンは、供給網です。

製品や商品が消費者の手元に届くまでの原材料、部品調達、

製造、在庫管理、配送、販売などの一連の流れです。

原材料→基礎化学品→中間化学品→最終化学品→消費財や消費者です。

 

①原材料

調達する原料が多岐に渡ります。

具体例は、石油、液化天然ガス(LNGです)、天然ガス、

空気、水、食塩、植物油脂、リン鉱石、糖蜜などです。

20世紀は、石炭が中心に使用していました。

現在は、石油製品が多く占めています。

 

②基礎化学品

化学向け中間財です。

具体例は、エチレン、ベンゼン、アンモニア、硫黄、

塩素、リン酸、酸素、窒素、苛性ソーダなどです。

 

③消費財

消費者向け製品・サービスです。

基礎化学品から調達します。

具体例は、一般用医薬品、家庭用医薬品、家庭用洗剤、化粧品などです。

 

④中間化学品

化学向け中間財です。

基礎化学品から調達します。

具体例は、タイヤ、塗料、接着剤、樹脂ゴム成型品、

化学肥料、化学農薬、医療用医薬品、食品添加物などです。

 

⑤一般向け消費財

消費者向け製品・サービスです。

中間化学品から調達します。

具体例は、食品、医療、自動車、電気機器、建設、繊維などです。

化学製品の構成について

2018年度は、化学業界が29兆7880億円です。

そして出荷額は、最終製品が54.6%(パーセントです)、有機化学工業製品が36.7%、

無機化学工業製品が7.8%、化学肥料が0.9%です。

さらに付加価値額は、最終製品が67.4%、有機化学工業製品が25.2%、

無機化学工業製品が6.7%、化学肥料が0.6%です。

 

①最終製品部門

医薬品が28.5%、化粧品・歯磨き・その他の化粧用調整品が7.2%、

合成洗剤・界面活性剤・油脂・石鹸が4.3%、塗料が3.7%、ゼラチン・接着剤が1.3%、

農薬が1.2%、写真感光材料が1.2%、その他の最終製品が7.3%です。

 

②有機化学工業製品

プラスチック(中間材です)が11.7%、石油化学基礎製品が6.6%、油脂向け中間財が6.1%、

合成塗料・有機顔料・環式中間材が5.4%、合成ゴムが1.8%、

その他の有機化学工業製品が7.3%です。

世界の製薬業界について

創薬の中心が低分子医薬品からバイオ医薬品に移行しました。

そして低分子医薬品は、化学合成によって製造した分子量が低い医薬品です。

さらにバイオ医薬品は、細胞大量培養法によるバイオテクノロジーや

遺伝子組み換え技術などによって製造した医薬品です。

日本の製薬業は、低分子創薬に特化しています。

しかし、1990年代以降は、アメリカ合衆国の製薬業が脚光を浴びました。

大型バイオ医薬品が発達したからです。

つまり、日本の製薬企業は国際競争力を徐々に低下していく大きな要因に繋がりました。

 

ジェネリック医薬品の普及によって、新薬メーカーの事業基盤が揺らぎました。

大きなリスクを伴う創薬がかなり厳しくなった大きな要因に繋がりました。

医薬品の製造は、長い年月をかけた研究開発や承認許可の取得が必要です。

日本の製薬企業は、バイオ創薬の強化やジェネリック医薬品の拡大に応じる為に、

M&A(企業買収や企業合併です)を通じて、企業規模の拡大化を図りました。

 

製薬業界は、主に癌、消化器、神経精神、

血漿分画製剤、希少疾患を中心に事業展開しています。

多くの企業がM&Aを行う事で自社の強みを強化して弱みを補完する事ができます。

買収が盛んになると、メガファーマ(巨大製薬企業です)が形成しやすくなります。

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