シーベルトとグレイについて
放射線は、人体に吸収する事によって電離作用が起きます。
そして、DNA(デオキシリボ核酸です)を傷つけたりする事で悪影響を及ぼします。
つまり、放射線の吸収量に比例します。
さらに同じエネルギーの放射線は、種類が違うと透過性も異なります。
ちなみにDNAは、生物遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質です。
目次
シーベルトとグレイについて
シーベルトは、実効線量です。
ちなみに単位は、Svです。
グレイは、吸収線量です。
ちなみに単位は、Gyです。
1Gyは、放射線よって1Kg(キログラムです)の物質中に
1J(ジュールです)のエネルギーが吸収されます。
公式は、1Gy=1J/Kg(ジュールパーキログラムです)です。
しかし、同じエネルギーを持つ放射線は種類が異なるので影響の違いが生じます。
α線はγ線の20倍程度の影響を人体に与えます。
Svは、放射線の違いによる人体への影響を考慮して吸収線量に重ねた線量です。
そして、β線やγ線の放射線効果を基準にしています。
公式は、β線やγ線=1Svです。
α線は、1Gy=20Svです。
さらに放射線が吸収される臓器によって影響が異なります。
つまり、加重係数をかけて考慮したのがシーベルトです。
放射線被曝に対する制限値は、実効総量が利用されています。
放射線の加重係数について
放射線 | 加重係数 |
---|---|
電子 | 1 |
中性子 | 1 |
光子 | 1 |
陽子 | 5〜20 |
α粒子 | 20 |
臓器による影響について
全身で吸収した量を1.00とします。
強い影響がある臓器程、大きな割合になります。
臓器 | 加重係数 |
---|---|
生殖器 | 0.20 |
肺 | 0.12 |
胃 | 0.12 |
骨髄 | 0.12 |
結腸 | 0.12 |
食道 | 0.05 |
肝臓 | 0.05 |
甲状腺 | 0.05 |
膀胱 | 0.05 |
乳房 | 0.05 |
皮膚 | 0.01 |
骨表面 | 0.01 |
その他の組織 | 0.05 |