芸能人の肖像権とパブリシティ権について

芸能人やスポーツ選手などの肖像権とパブリシティ権は、

保護して利用する事が芸能界で最重要です。

つまり、インターネット、テレビ、ラジオ、雑誌などで不当な使い方をされないように、

確立されたイメージが損なわれないよう見守る事が大切です。

そして、ファンや企業などが自由勝手に使用する事ができません。

さらに芸能界のスタッフは、ネットメディア、テレビ局、出版社、映画会社、広告会社などと

取引する場合、相手ごとに権利の使い方が異なります。

注意して交渉を行う必要があります。

目次

芸能人の肖像権について

肖像権は、自分の写真をむやみに撮影や利用されない権利です。

そして、誰にでも認められている権利です。

プライベートの芸能人を見かけた時、勝手に撮影してSNS(ソーシャル・ネットワーキング・

サービスです)にあげたりする事は、肖像権の侵害に該当します。

ちなみに、日本国憲法第13条の幸福追求権に基づいて認められている人格権です。

人格権は、生命、自由、名誉、プライバシーなどの

個人の人格と切り離す事のできない権利です。

 

①プライバシー権

肖像権の1種です。

自己の容姿を無断で撮影されたり、

撮影された写真を勝手に公開されたりしないように主張できる権利です。

そして、人格権に則した権利です。

人格権的利益が法的に保護されています。

 

②パブリシティ権

肖像権の1種です。

著名人の肖像や氏名が持つ顧客吸引力から生じる経済的な利益や価値を

排他的に支配する権利です。

そして、財産権に則した権利です。

有名人が活動の成果によって人気や名声を獲得して憧れの対象になる事で、

肖像や氏名に顧客を商品等に引きつける力(顧客吸引力)が生まれます。

つまり、経済的価値が高まります。

芸能人のパブリシティ権について

①パブリシティ権

芸能人やスポーツ選手の肖像をビジネスに使用する権利です。

色んな媒体を通じて、芸能人の顔とイメージを認知していきます。

顧客吸引力(人を惹きつける影響力です)を無断で商売に利用させない権利です。

エンタテインメント業界は、プロとして自覚する必要があるので芸能人や

スポーツ選手は商売道具として抵抗感を抱いている人が少なくないです。

ちなみに、日本国憲法第13条の幸福追求権に基づいて認められている人格権です。

 

②実例

2012年、ダンス・ミュージック系グループ『ピンク・レディー』の事件が起こりました。

女性週刊誌がダイエット特集の為にピンク・レディーの写真をたくさん掲載しました。

しかし、出版社は掲載の許を取らずに写真を使用していたので、

ピンク・レディー陣営から裁判で訴えられました。

つまり、ピンク・レディー側のパブリシティ権が侵害された事になります。

最高裁判所の結果、出版社がピンク・レディーに対する損害賠償を払う事になりませんでした。

パブリシティ権は、一定の要件の元で法的に保護されるからです。

写真の無断掲載は、違法なパブリシティ権侵害に該当しない事で上告を棄却しました。

ちなみに日本の法令上、パブリシティ権の権利が規定されていません。

しかし、パブリシティ権と侵害の基準を認めた事になるので芸能界に重要な判例です。

芸能人の肖像権とパブリシティ権について

芸能人の得る報酬(ギャラです)は、知名度やイメージから派生します。

つまり、肖像権とパブリシティ権の利用の対価です。

そして芸能人は、様々な媒体で実力を発揮して人気を高める事を目標とします。

人気が高まると、自分の価値を高めやすくなります。

 

写真集、ポスターなどを無断で製造や販売する業者は、たくさんいます。

以前は、テレビ局も出演者の許諾を得ずにテレビドラマの再放送をしていました。

芸能事務所は、芸能人が自分のイメージを作りながらファンに夢と喜びを与える事が仕事です。

芸能人の才能、容姿、人柄、魅力を生かして責任を持って仕事に取り組んでいます。

さらに芸能人の知名度は、自らの権利を正しく守りながら使用する事です。

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