漢方と頭痛・肩こりについて
日常で見られやすい慢性頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛があります。
そして片頭痛は、痛みや吐き気が生じやすいです。
さらに緊張型頭痛は、肩こりに連動して頭痛が引き起こりやすいです。
一般的に西洋医学の場合は、鎮痛剤で痛みを和らげる事をします。
しかし、漢方医学の場合は、痛みの原因である体の調整を治療します。
目次
漢方と頭痛・肩こりについて
頭痛は、頭部に感じる痛みの中で表面痛でない病気です。
肩こりは、首・肩・背中の筋肉が硬ったり、痛みやだるさを感じる症状です。
2つの主な共通点は、生じる前に冷えがあったり、
気・血・水の滞りがあったりする事が多いです。
つまり、頭痛と肩こりの両方が漢方薬で改善しやすい事があります。
脾胃の働きや月経などを考慮して、痛みの原因をしっかり見極める必要があります。
●脾胃は、漢方医学の胃と脾臓(消化吸収機能です)です。
●月経は、女性の生殖機能に関連する現象です(生理です)。
特に子宮内膜が剥がれ落ちる際に起こる出血です。
葛根湯は、風邪の初期症状(発熱、寒気、筋肉痛などです)や肩こりに効果的な漢方薬です。
身体を温めて発汗を促す事によって、体内の毒素を排出して症状を和らげる作用があります。
一般的に体力のある人が風邪の引き始めに使う事が多いです。
①冷え
●呉茱萸湯は、片頭痛、吐き気、嘔吐、手足の冷えに対応しやすいです。
●当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、冷えからくる頭痛、霜焼けに対応しやすいです。
●五積散は、上半身がのぼせ、下半身が冷える事に対応しやすいです。
●川芎茶調散は、風邪の初期、頭痛発作の頓用薬(症状発生時です)に対応しやすいです。
②ストレス
●加味逍遥散は、疲れやすい時、火照り、怒りに対応しやすいです。
●抑肝散は、怒り、怒りっぽい、不眠に対応しやすいです。
●釣藤鈎は、早朝起床時の頭痛、高血圧、脳血管障害の既往に対応しやすいです。
●大柴胡湯は、便秘、高血圧、怒りに対応しやすいです。
③瘀血(血の滞りです)
桂枝茯苓丸は、のぼせ、月経不順に対応しやすいです。
④水滞(水の滞りです)
●半夏白朮天麻湯は、胃腸が弱い時、めまい、フラツキに対応しやすいです。
●五苓散は、口渇やたくさん水を飲んで尿が少ない時、
雨天前に悪化する事に対応しやすいです。
●当帰芍薬散は、血色不振、冷え性、めまい、月経不順に対応しやすいです。
⑤胃腸の虚弱
桂枝人参湯は、食欲不振、下痢がしやすい時に対応しやすいです。
頭痛や肩こりの食事療法について
①頭のストレス発散
緑茶が向いています。
②瘀血の痛み緩和
チンゲンサイ、ミツバ、グレープフルーツ、ウコン、ニラなどが向いています。
③気のめぐり正常化・強張り解し
ピーマン、シソ、ミカン、タマネギ、ジャスミン茶、陳皮、鮭などが向いています。