抗不整脈薬について
不整脈は、心臓の刺激伝達が上手く行かずに、脈拍のリズムが異常をきたす疾患です。
そして抗不整脈薬は、心筋細胞の異常興奮を
取り除きやすくする事で膜安定化作用に繋がります。
つまり、刺激伝達の安定化を図ります。
一般的に頻脈性の不整脈に利用される事が多いです。
目次
抗不整脈薬について
抗不整脈薬は、不整脈の予防・停止・心拍数の調整を目的とする薬です。
メキシレチン塩酸塩は、心臓の脈の乱れ(頻脈性不整脈です)の治療と
糖尿病性神経障害による手足の痛みや痺れの改善に利用されている医療用医薬品です。
カプセル錠剤は、50mg(ミリグラムです)程度、100mg程度です。
注射錠剤は、125mg/5mℓ(ミリグラム毎ミリリットルです)程度です。
頻脈性不整脈の内服は、1回100mg程度〜150mg程度です(1日3回食後です)。
頻脈性不整脈の注射錠剤は、1回125mg程度(2mg/kg程度〜3mg/kg程度です)を
5分間程度〜10分間程度にかけて静注や
0.4mg/kg(マイグラム毎キログラムです)程度〜0.6mg/kg程度時で点滴静注です。
主な副作用は、ジギタリス中毒です。
服薬指導について
心臓の規則的拍動を調整しているイオンの1つは、Naイオンチャンネルを介した
Naイオンの流入です。
そしてメキシチレンは、Naイオンの流入を抑制する事で心筋の異常興奮状態や
刺激伝達を調整・正常化しやすくします。
つまり、不整脈が改善しやすくなります。
神経の痺れや痛みに対する鎮痛作用もあります。
中枢神経系に作用する場合があります。
眩暈、視力障害、痺れなどに注意して、自動車の運転や
機械操作などに十分注意する必要があります。
万が一、発現した際は、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
そして心房筋は、ほとんど作用しないので心房細動に利用しないです。
さらに、心筋の膜安定化の為に心臓の収縮力の低下が起こる可能性もあります。
血圧の下降症状は、要チェックです。
主な副作用は、中毒性表皮壊死症(ライエル症候群です)、紅皮症、過敏症症候群、
錯乱、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群です)、心室頻拍、
腎不全、黄疸、幻覚、肝機能障害、間質性肺炎、好酸球性肺炎、悪心、嘔吐、掻痒、
全身発疹、食欲不振などです。
処方箋の注意事項について
重篤な刺激伝達障害の人(パースメーカー未使用のⅡ度〜Ⅲ度、房室ブロックなどです)、
過敏症の人は使用できないです(投与禁忌です)。
そして糖尿病神経障害に伴う自発痛、痺れ感に対して利用する場合は、
重篤な心不全を合併している人に利用できないです(原則投与禁忌です)。
さらに薬が食道に停留すると、食道潰瘍を引き起こす事があります。
ちなみに、多量の水で服用する指導が入る事もあります。
特に就寝直前の服用は要注意です。
トルサード・ド・ポアンツの発生は、アミオダロンです。
薬剤作用増強は、リドカイン、キニジン、アプリンジン、
プロカインアミド、Ca拮抗薬、β遮断薬です。
血中濃度上昇は、シメチジン、炭酸水素ナトリウムです。
血中濃度低下は、リファンピシン、塩化アンモニウム、フェニトインです。
●トルサード・ド・ポアンツは、突然死を起こす事がある心室性不整脈です。
QT延長症候群(後天性です)に見られやすい疾患です(心室頻拍の特殊系です)。
