アルミ缶について
アルミ缶に利用されるアルミニウムは、日本で使用されているアルミニウムのほぼ1割に当たります。
そして原料であるボーキサイトは、資源不足の日本にとっては大事な資源です
(現在は、100%輸入に頼っています)。
さらにアルミ缶から再生されたアルミニウム地金の約64%が、新しいアルミ缶にされています。
ちなみにボーキサイトは、酸化アルミニウムを約52%~約57%を含んでいる鉱石です。
アルミニウムの元素記号はAl、原子番号は13、原子量は26.98の元素です。
目次
アルミ缶について
アルミ缶は、アルミニウム合金などによって製造された缶です(DI缶です)。
具体例はサイダー、缶コーヒー、ビールなどの炭酸飲料や飲料系の容器です。
そしてアルミニウムは、熱や電気をよく通す性質(熱伝導性・電気伝導性です)、加工しやすい、
錆びにくい、軽量、強力、美しい、毒性がない、磁気を帯びないなどです。
多くの製品の素材として高い汎用性を誇っています。
しかし精錬工程内で、大量の電力を消費します。
アルミニウムを含む鉱物であるボーキサイトから
1t(トンです)のアルミニウムを造り出す為に使用されるエネルギーは、
一般家庭の約7年分の電力消費量に相当します。
アルミニウムは、様々な合金に加工されて製品に利用されています。
アルミ製品からアルミ地金を再生する場合は、ボーキサイトから取り出す場合の3%のエネルギーで済みます。
同種類のアルミ合金だけを集めて溶解すると全く同じ品質の合金に再生できます。
そして、半永久的なリサイクルが可能になります。
内容物の品質保持に優れているので、清涼飲料用のボトルタイプが普及しています。
アルミ缶のリサイクル方法について
分別回収、拠点回収、ボランティアなどによる集団回収が多いです。
回収された空き缶は、再資源化施設など地域の選別拠点で選別や圧縮減容されて、
アルミ地金の精錬工場に送られます。
そしてプレスされたブロックに様々な異物が混入しているので、
ブロックを手作業や磁選機でアルミ以外のモノを取り除きます。
選別を経たチップだけが溶解炉に投入されて、再生地金(アルミ・インゴットです)になります。
しかし、アルミ・インゴットだけでアルミ缶は造れません。
アルミ缶の胴とふたの部分は、使われている合金のマグネシウムやマンガンなどの配合比率が異なります。
材料の異なるアルミ合金を混合して造られる再生地金は、
アルミ缶の胴材に利用されて、ふた部分は利用できません。
再生地金は圧延メーカーに持ち込まれて、再度溶解されます。
そして熱間圧延と冷間圧延を経て、アルミ缶の厚さ数10ミクロンの薄い板材にされて、
製缶工場でアルミ缶に再形成されます。
アルミ缶のリサイクルの手順についてです。
選別や回収→再生地金鋳造→圧延→製缶です。
選別や回収…空き缶などの入ったビニール袋を破袋機で破って、中身を選別します。
スチール缶の選別は、磁力選別機が使用されて、びんなどは手選別を行います。
選別されたアルミ缶は、圧縮減容後にアルミ地精錬工場に運ばれます。
再生地金鋳造…プレスされたブロックをシュレッダーにかけます。
チップ状に切り刻まれたアルミ片は、過電流選別機でゴミなどを取り除くなどして溶解炉に投入します。
溶解後に成分調整をして、アルミの再生地金を鋳造します。
圧延…再生地金を再度溶解して、再生塊(スラブです)にします。
その後、圧延して製缶用のアルミ缶板を造ります。
板材は脱脂工程を経て、透明塗装を施されて製缶メーカーへ送られます。
製缶…アルミ板材は切断して、打ち抜かれた缶の体型になります。
その後トリミング(所定の高さで切る事です)・洗浄・印刷・内面塗装・くびれ出し加工などの各工程を経て、
ふたの部分を付けて飲料メーカーに出荷されます。