写真判定について
陸上競技は、1/100秒や1/1000秒を争う世界線です。
つまり、正確性と公正性が重要です。
速さを判定する為には、計測する精密な機器が欠かせないです。
1986年、第1回近代オリンピックが開催されました。
ストップウォッチを利用していましたが、当時は参考程度でした。
公式記録は、人の目視による1秒単位の時計で測定していました。
目次
写真判定について
写真判定は、競技による肉眼で判別しにくい僅差の着順を写真を活用して判定する方法です。
写真測定装置は、陸上競技であるトルソー(胴体部分です)が
フィニッシュラインを通過した瞬間で判定します。
陸上競技選手がフィニッシュラインに近づくと、スリットカメラが作動します。
ライン上の極細写真を1秒間に2000枚程度〜3000枚程度撮影します。
撮影した画像を繋ぎ合わせた判定画像を基準として着順と正確なタイムを判定しています。
●スリットカメラは、カメラのレンズとフィルムの間にスリット(細い隙間です)を設けて、
撮影中にフィルムを巻き続ける事でカメラの前方を通過する被写体を1本のフィルムに
連続的に撮影する特殊カメラです。
陸上競技の公式記録は、追い風2m(メートルです)以下です。
2mを超えると、参考記録になります。
100m走の追い風は、1mが0.085秒、2mが0.161秒、3mが0.228秒、5mが0.337秒縮みます。
つまり、1mの差が大きいです。
写真判定の仕組みについて
①フィニッシュラインの延長線上に設置している写真判定室のスリットカメラで
撮影された写真でトルソーの位置を判定します。
つまり、正式なタイムを割り出します。
②先頭の選手がフィニッシュラインを超えると、赤外線が遮断されてタイマーが止まります。
速報タイムがタイム表示盤に表示します。
フライングの検知方法について
スタート信号から1/100秒以内にスタートした時は、フライングになります。
具体例は、短距離選手です。
スターティングブロックにかける圧力によって測定します。
人間は、スタート音を聞いて反応するまでに最短で0.1秒かかります。
短距離選手の反応時間が0.1秒未満の場合は、ファウル判定になります。
ファウル判定は、スタート音を検知して大脳が発した信号が足に伝達するまでの時間です。
つまり、フライングした場合はファウル音が鳴ります。
フィニッシュ地点に設置しているフィニッシュタイマーは、
フィニッシュラインの両側にある光電管(ビームです)を
短距離選手が通過した瞬間に止まります。
しかし、参考タイムとして利用します。
つまり、正式タイムではないです(実際のタイムと多少誤差があるからです)。
ちなみに多少の誤差は、1/100秒程度〜2秒程度です。
圧力センサーで短距離選手が蹴る瞬間を検知します。
正常にスタートした場合は、中継機を通じて時計システムが始動します。
しかし、フライングが発生すると、音と信号で知らせて再スタートします。