鉄筋コンクリートの劣化について
鉄筋コンクリート構造物は、環境の変化によって劣化していきます。
ひび割れで構造物が壊れる事は、ほとんどないです。
つまり、ひび割れによって鉄筋が錆びる事で
鉄筋コンクリート構造物の耐久力が低下していきます。
さらに腐食が始まると、鉄筋が膨張してコンクリートのひび割れは広がります。
周囲のコンクリートは、剥落して耐久性が低い鉄筋コンクリート構造物になります。
ちなみに内部の鉄筋がしっかりしている場合は、構造物の耐久性が低下しにくいです。
鉄筋コンクリートの劣化について
①コンクリートの塩害
コンクリート内に塩化物イオンが侵入して鉄筋の不動態皮膜が破れていきます。
鉄筋に錆が発生する原因です。
基本的に劣化速度が速いです。
錆による体積膨張がコンクリートのひび割れや剥落に繋がります。
そして初期は、ひび割れが発生して錆汁が出てきます。
放置すると、ひび割れの幅の拡大、コンクリートの剥落が生じます。
つまり、鉄筋の断面欠損が引き起こります。
②コンクリートの中性化
大気中の二酸化炭素がコンクリート内に浸透して炭素化反応を引き起こします。
細孔溶液のph(水素イオン濃度です)が低下する事で中性化します。
コンクリート自体は、強度変化が少ないです。
しかし、コンクリート内に鉄筋の不動態皮膜が破れていきます。
つまり、鉄筋が腐食化していきます。
③コンクリートのアルカリ骨材反応
コンクリート内の骨材がを含んでいる場合は、
コンクリート内のアルカリ性水溶液と反応して異常な膨張化に繋がります。
コンクリートがひび割れを引き起こして鉄筋に錆が生じます。
最近は、反応性が低い骨材やアルカリ度数が低いセメントなどがあります。
つまり、問題点が少なくなっています。
④コンクリートの凍害
コンクリート内の水分が0℃(度です)以下になって凍結膨張時に生じます。
基本的に長期間凍結と融解を繰り返して徐々に劣化していきます。
そして初期は、スケーリング(表層が剥離する事です)、ひび割れ、
吸収性が高い骨材へ侵入した水分が凍結膨張します。
つまり、ポップアウト現象(コンクリートの表面が薄い皿状に剥がれ落ちる事です)が
引き起こります。
さらに凍害の深さが鉄筋まで達すると、腐食が開始します。