光ファイバーについて
21世紀、生活の1部になったインターネットは、世代を超えて大きな恩恵を受けています。
世界中に駆け巡っているパケット(伝送単位です)は、
光ファイバーによって運ばれています。
そして家庭に引かれた光ファイバは、データ通信に欠かせない存在です。
さらに情報の担い手である光は、曲がったケーブルも通ります。
目次
光ファイバーについて
光ファイバーは、離れた場所に光を伝える伝送路です。
透過率の高い石英ガラスやプラスチックなどで作られています。
電磁気の影響を受けずに極細の信号線で高速信号が長距離に伝送できます。
デジタル通信を中心に多くの通信用途に使用されています。
光ファイバーの中身は、主に2種類に分類されます。
●コアは、光ファイバー内の中心部にあって屈折率が高いです。
●クラッドは、光ファイバー内の中心外にあって屈折率が低いです。
つまり、屈折率の差を利用して全反射を起こします。
光ファイバー内のコア内から漏れる事なく進む事が可能です。
しかし、曲がった光ファイバーは曲げが強いと全反射しません。
少し曲げた光ファイバー場合は、光がコア内を決まった反射の角度で進みます。
光ファイバーの作り方について
光ファイバーは、純度の高いガラスで製作されています。
現状であるガスを化学反応させて、細かい純粋なガラスの粉を作ります。
その後、ガラスの粉を棒状にします。
粉が付いたままの状態は、多孔質(スカスカ状態です)なので加熱して隙間を除きます。
純粋なガラスの棒ができます(プリフォームです)。
プリフォームは、不純物の元になるガスを少量だけ混ぜる事で
ガラスの屈折率を微妙に変える事が可能です。
つまり、コアとクラッドに屈折率の差を設定できます。
●コア部分は、屈折率を上げる不純物を混ぜます。
●クラッド部分は、屈折率を下げる不純物を混ぜたり、不純物を混ぜないです。
その後、プリフォームを再度加熱して細長いファイバーにします(線引きです)。
日本では、VAD法(Vertical Axis Depositionです)を
活用してプリフォームを作ります。
①4塩化ケイ素(SiCI4です)のガスを水素ガスと酸素ガスに混ぜて、
着火して酸化反応をします。
②シリコンが酸化されて石英ガラスの粉ができます。
③屈折率を制御する為に不純物のガスを混ぜて粉を生成します。
④完成した粉を下から吹き付けて多孔質を作ります。
⑤徐々に引き上げる事で長い棒状ができます。
引き上げていく段階でヒーターを利用すると、そのままプリフォームができます。
大量生産する場合は、クラッドの外側の部分に出来合いのガラスのチューブを使用します。
つまり、外側部分は特に関係がないです。
ファイバ内で光が通るのはコアと周辺部分だけです。
重要な部分をロッドインチューブに入れてプリフォームにします。
光ファイバーの弱点について
透明な物質でも中を通る光は、減退します。
①内因的損失
ファイバーの材料や製造法自体に原因がある事です。
ガラス分子(SiO2です)に比嘉が吸収されて、電子のエネルギー準位を上げる働きをします。
ちなみに、波長266nm(ナノメートルです)程度の紫外線を吸収する紫外吸収です。
そして、シリコンと酸素の間の結合の振動エネルギーとして吸収されるパターンがあります。
波長10nm(ナノメートルです)程度の紫外線を吸収する赤外吸収です。
さらに、ファイバー製造する際に生じる水による吸収されるパターンもあります。
ちなみに、波長1.4μm(マイクロメートルです)程度の光に反応するOH基吸収です。
OH基吸収のピーク波長は2.8μm程度ですが、その前に反応してしまいます。
対策案は、水が出ない作り方が必要です。
②外因的損失
実際にケーブルを引く時に生じる曲げ度合い、
ファイバーを製作時に生じる細かい歪みなどです。
そしてファイバーの途中で大きな曲げがある場合は、全反射ができずに外に反射するからです。
つまり、ファイバー内にある細かい歪み(マイクロベンドです)は、
コアとクラッドのサイズや屈折率を微妙に変化します。
対策案は、製造法の改善やファイバーを引く際に注意する事です。
ガラスを使用したファイバーは、大きな屈折率が揺らぐ事があります。
溶けているガラスを一気に冷ます過程で、
摂氏1000度程度の温度の揺らぎがファイバー野中で固定されるからです。
しかし、水はファイバー自体に本来不要です。
水がファイバーに残らないようにする事が重要です。