α遮断薬について
血圧の上昇は、交感神経であるα受容体が関わっています。
そしてα遮断薬は、交感神経末端にある平滑筋側のα受容体を選択的に遮断できます。
さらに交感神経α受容体遮断薬は、主に高血圧(動脈の血圧が持続的に上昇している
慢性的な疾患です)、尿路結石(尿路系に沈着する結晶の結石が詰まる事によって
起きる症状です)、前立腺肥大(加齢と共に前立腺の内腺の細胞数が増加して
肥大化する疾患です)による排尿障害などの治療に使用されています。
ちなみに、交感神経のアドレナリン受容体の1種です。
目次
α遮断薬について
α遮断薬は、交感神経のα受容体を遮断する事で血管を拡張させて血圧を下げやすい薬です。
そして、前立腺や尿道のα₁受容体を遮断して筋肉の緊張を和らげて、
血流を改善する事によって、前立腺肥大症による排尿障害の治療に活用されています。
ドキサゾシンメシル酸塩は、アドレナリンα1受容体の選択的遮断薬です。
錠剤は、0.5mg(ミリグラムです)程度、1mg程度、2mg程度、4mg程度です。
口腔内崩壊錠は、0.5mg程度、1mg程度、2mg程度、4mg程度です。
開始時は、1日1回程度の0.5mg程度です。
効果不十分の場合は、1週間程度〜2週間程度おいて
1日1回程度の1mg程度〜4mg程度に漸増です。
高血圧症の場合は、1日最大8mg程度です。
服薬指導について
ドキサゾシンメシル酸塩は、末梢血管の交感神経末端にある
平滑筋α₁受容体を選択的に遮断して、動脈や静脈を拡張させる事が可能です。
つまり、血圧を低下させます。
特に交感神経末端側の制御系α₂受容体は、阻害しないので副作用の発現が低いです。
一般的に褐色細胞腫の手術前の血圧コントロールに使用されています。
初回投与時は、強い血圧低下反応(初回投与効果です)が発現しやすいです。
立ちくらみや血圧低下による副作用などに要注意です。
初回よりも少量から開始します。
特に高齢者は、投与に関して注意する必要があります。
降圧作用でふらつきや眩暈などの症状が起こる場合もあります。
ドキサゾシンの半減期は、長いです。
初期投与は、1日1回朝食後の服用が一般的です。
早朝高血圧症の患者さんは、就寝前に投与する場合もあります。
脂質代謝系に作用して、総コレステロール、トリグリセライド(中性脂肪です)を下げて、
HDLコレステロールを上昇させてから血清脂質プロフィールを改善させる効果が期待できます。
●HDLコレステロールは、血管の壁に付いた余分なコレステロールを回収して
肝臓に運ぶ事で動脈硬化を予防する重要な役割を担っている高密度リポタンパク質です。
●血清脂質プロフィールは、血液中のコレステロール・中性脂肪・HDLコレステロール・
LDLコレステロールなどの脂質を測定して、脂質の状態を総合的に評価する検査です。
主な副作用は、失神、意識喪失(起立性低血圧が多いです)、不整脈、脳血管障害、
心筋梗塞、無顆粒球症、狭心症、肝炎、眩暈、頭痛、動悸、心悸亢進などです。
ドキサゾシンによる血圧低下の副作用は、自然消滅する事が多いです。
治療継続中に再発する事がほとんどないです。
処方箋の注意事項について
妊娠や妊娠している可能性がある患者さんは、治療上の有益性が
危険性を上回るとして医師が判断した場合のみ投与します。
授乳中の場合は、授乳を中止させる事が望ましいです。
薬剤作用増強は、利尿薬、降圧薬です。
症候性低血圧は、ホスホジエステラーぜ5(PDE-5です)、阻害作用がある薬剤
(タダラフィル、バルデナフィル、シルデナフィルなどです)です。
